少しずつ肌裏紙を水で湿して除去する
絵絹や裏彩色、表面の絵具を守るために、使用する水分は極力少なくします。
一筆、二筆ほどの面積を湿し、肌裏紙を繊維状に崩しながら少しずつ除去していきます。
電子線劣化絹を用いて欠損箇所を補修する
欠損部分はそのままにしておくと、絹が残っている部分と無い部分との段差から、さらに欠損が広がっていきます。そのため、欠損部と同じ形に切り出した絵絹を欠損部分に嵌め込んでいきます。
本紙の欠損部分に絹を補うこと
高崎原子力研究所にて電子線を照射し、人工的に強制劣化させた絹のこと。弱った本紙絵絹の欠損部に新しい絹で補絹すると、強度バランスが取れずに、本紙絵絹を傷つけることがある。