材料はすべて厳選したものを使用しています。当社の紙・裂は国の伝統保存技術者に選ばれた人の手による、すべて手仕事によって作られた、最高品質のものです。また、糊は当社で炊き、地下で瓶に詰め10年間寝かせたものを使用しています。このような良い材料を使用することによって、200年後の再修理の時まで安全に保存することができます。
表具の技術は古い時代から伝わったものです。現在はその技術を基礎にして、新たな技術を取り入れています。欠損部分には、電子線によって強制劣化させた絹で補修をしたり、紙の繊維分析を行って、同質の紙を製作してそれにより補修を行うなど、保存を第一に考えた修理をしています。
当社では伝統的な京表具の技法を受け継いでいます。材料は昔からの伝統技法で制作されたものを厳選し、糊は自家製の十年間地下で熟成させたものを使用しています。また一方で、修理の際の調査や検査には、実体顕微鏡、分光測色計計測、赤外線写真撮影など、様々な新しい方法を用いて、科学的に分析しています。このように当社では伝統と科学の両輪で修理を進めています。